扉・引き出し・脚、細かな配慮が調和するキャビネット

キッチンとリビングの間仕切りの壁を背にして置かれたコンパクトなキャビネットです。
色々な物を収納できる便利さと、リビングから見えてもよい意匠性の両立に加えて、お部屋のお掃除にも配慮した家具です。
特に、上吊の引戸とプッシュオープンの引き出しが、意匠面の面白い表現をアシストしてくれました。

家具の特徴

スムーズで下レールもない引戸
扉は左右にスライドする引戸タイプ、動きはとてもスムーズです。
キャビネット上部で扉を吊る構造のため、地板には溝がありません。
ガラスには内部が見えにくい半透明のフィルムを貼りました。ガラスが割れてしまった時に飛び散らないための飛散防止機能があります。

引き出しの特徴(Ⅰ)プッシュオープン
つまみや取手が不要な、押すと出てくるプッシュオープンタイプの引き出しです。
この機能を支えている部品は引き出しの底に取付けてあるため、横からは見えません。引き出しを開けるとすっきりした印象です。

引き出しの特徴(Ⅱ)杢目と深さ
自然が生んだナラ材の杢目(もくめ)が引き出し上段から縦に連続しています。
また、引き出しの深さは上から一段ごとに20mmずつ深くしています。

お掃除しやすいデザインの脚
脚をつけた理由の一つは、お掃除ロボットが通れるようにするためです。
2方向から見て先が細くなっている(テーパー)デザインの脚は、家具が壁にぴったり付くように建物の巾木(はばき)を避けた位置に取り付けました。

きれいな背面仕上げ
他の箇所と同様にナラ材(突板)のウレタン塗装です。

仕 様 ナラ材ウレタン塗装
サイズ W650×D400×H900(mm)

店主のコメント

この家具の特徴の一つはプッシュオープンタイプの引き出しです。
金物の歴史的には、今では汎用品として普及している三段スライドレールがあり、そのあとにプッシュオープンタイプが開発されました。
このように、家具金物も進化しているのですが、開発はドイツを中心としたヨーロッパです。
新しい機能や面白い家具の需要があり、それに応えるための研究開発が行われるという循環は、家具の後進国からは少し羨ましく見えます。