お客様支給の生地による張替

修理内容は、張地張替・クッション材交換・装飾材交換・木部補修です。
張地はお客様支給から支給していただいた2種類の帯です。

ビフォーアフター

張地張替・クッション材交換

張地はお客様の帯です。

装飾材交換

ブレードから鋲(びょう)への交換です。

木部の修理

損傷が激しいパーツは交換する方向で考えていたのですが、新しいパーツを同じ意匠(見た目)でつくることが難しいため、既存のパーツを補修して、再利用しました。

修理の特徴

帯の幅より椅子の座の幅のほうが広いため、帯の無地部分と柄部分をジョイントしています。ジョイント位置はお客様のご希望で、座のジョイントの延長に背のジョイントがくるようにしました。

店主のコメント

お客様から帯を椅子張地に使いたいという要望を伺ったときは、少しの驚きと戸惑いがあったことを思い出します。しかし、特に個人の椅子は、生地メーカーの基準で椅子張地に適しているとするアイテムを使わなくてはならない理由などありません。お客様の『帯を使って思い出一杯の椅子にリフォームいたい』という素直な気持ちが、新たな発展に繋がっていく可能性を感じました。業界に携わる時間に比例するように安全第一になりがちですが、好奇心や冒険心も忘れることがないように心掛けます。